【個展開催中!】延原勝志という作家。

ssyouhei

いらっしゃいませ!

みなさま、推し活してますか。私は初めて使いましたよこの単語。それくらい推しという存在はいない…と思っていたのですが、私にもひとり推しがいらっしゃいましたね

それがこの方。備前焼陶芸家の延原勝志さんです。

 延原さんとの出会いは数年前、岡山県伊部市にて備前焼の散策をしていた時のことです。備前焼といえば窯の気まぐれを味方につけ、土と灰と炎のみで美しさを語る日本屈指の焼き物。一見地味~なうつわですがその魅力を味わえば最後。どこまでも続く探求心を刺激されるそれはまぁ~恐ろしい産地です。

 しかし備前焼は上記のみで完成する焼き物。焼き物に触れて間もない方であれば全部同じに見えてしまうような作風です。(こんなこと言ったら備前焼の作家様を敵に回してしまうとは思うのですが…)

 絵や顔料がない作陶で窯元や作家単位の個性を出すというのは、それほどの超絶技巧なのです。ミリ単位の誤差が決定打になりうるからこそ、備前焼は奥深く面白いのです。

 そんな備前焼の売り場でもひときわの個性を放っていたのがこの延原勝志さんなのです。延原さんの作品の最大の特徴は器面に浮かぶ紅葉紋です!

 陶芸には木の葉紋という技法があります。その名の通り木の葉を乗せて焼き上げることで器面に葉脈を模様として焼き付ける技法です。しかしこれは京都の楽焼など低温で焼き上げる産地の技法。備前焼のように1,600度の高温でこの技法をやろうとすると、器面に模様が付く前に葉っぱが焼き尽いてしまい、何も残らないのです。

 しかし延原さんは池に落ちた紅葉が葉脈だけを残して朽ちた様子からヒントを得て、見事に備前焼に木の葉紋を残すことに成功したのです!!備前焼の緋襷の色合いも合わさって、秋に使いたくなるような風情溢れる作品を作られています!

 そんな延原さんが3/11から3/19までの期間中、銀座のギャラリー江にて個展を開催されているというお知らせを頂きました。お写真の掲載許可も頂いておりますので、今回は個展の様子をお届けいたします!

 ギャラリー江は東京メトロ東銀座駅 歌舞伎座出口付近にある小さなギャラリー。延原さんは昨年もこのギャラリーで個展を開催されており、毎年恒例なのだとか。

 延原さんはガス窯と蒔窯を併用される作家さんで、力強い窯変が特徴的。一方ガス窯は紅葉緋襷のようにきめ細やかな作風となっており、二面性が面白い作家さんです。いずれにしてもお値段はかなり良心的。これでも個展用に厳選をしている以上値上げをしているのですが、にしたってこのクオリティをこの価格で買えるのは驚きです。

 延原さんは作家としてはベテランの域に入るお方なのですが、前述の紅葉緋襷などをはじめ作風はかなり柔軟でもあります。お写真二枚目は京焼の技法を活用した磁器!備前焼の素晴らしさはそのままに、自由な発想で作陶されています。

 私のオススメはなんといっても花器!備前焼は花や枝物がとにかく映える作品なのですが、延原さんの作品は荒々しい窯変が目を引きます!私のように土感がよくわかる焼き締めが好きな方は絶対にハマると思いますよ!

 そして今回は奥様の作品も出品されておりました。延原さんの奥様は作品たちをわが子のように扱っており、愛情をもって作品と向き合っていることが良く伝わってくるお方です。たまに親離れができていないこともありますが笑

 

 ということで今回はこちらを購入させていただきました。紅葉紋ぐい飲み2種と一輪挿花瓶です。下戸の私はぐい飲みを小鉢で使う気満々で買ったのですが、窯変紅葉のほうは液体を入れると見栄えがまるで違いますね!!これは感動です!

 そしてこの一輪挿しはかなりいい買い物です。大きさ10cm前後なのにこの見ごたえある景色ですよ?ぐい飲みや一輪挿しなど細かい作品でスケール感を出せる作家さんは名手だと思っているのですが、延原さんは間違いなく名手側の方ですね!!

 そんな私のオススメである備前焼の名手・延原勝志さんの個展は3/19までギャラリー江にて開催中です!!ぜひとも皆さまチェックしてみてくださいね!

 という訳で今回はここまで!それではまた~。

店主紹介
気楽なスタッフ
気楽なスタッフ
現役サラリーマン
現在20代後半。大学生の時に観たドキュメンタリーがきっかけでうつわに魅了された男。

「ひとりでも多くの人がうつわに込められたメッセージを楽しんでほしい!」をテーマに活動すべく、個性豊かな愛用のうつわに振り回されつつ生活をしている。

愛用のうつわは笠間焼、備前焼、九谷焼きなど日本陶磁器が中心。西洋磁器はウェッジウッド、マイセンがお気に入り。食空間コーディネーター3級を持っています。

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