鍋の季節にいい鉄器
いらっしゃいませ!
え~…お久しぶりです。この一ヶ月少々バタついておりまして音信不通になってしまいました。最後の投稿は…うっは、1か月前ですか!!皆様いかがお過ごしでしたか?またのらりくらりと書いていきますのでよろしくお願いいたします。
さて、先日友人とキャンプに行くための道具を買いに某リサイクルショップへ行きまして、そちらでこんなものを購入しました。
南部鉄器の鉄鍋です。
「この気温で鍋したら最高じゃない?」とのことですが、軽量化命のアウトドアでゴリゴリの伝統工芸を買う化け物はおそらく自分くらいでしょう。工芸品バンザイ!!
南部鉄器と言えば岩手県にて栄える伝統工芸。17世紀ごろに京都の釜師を招いたことで始まった南部鉄器は、茶道にて使われる釜の名産地として当時から高い評価を得ておりました。のちに茶道具から家庭向けに小型化した鉄瓶は大ヒット。親子三代で使い続けられる程の耐久性を誇る、いまなお大人気の工芸品です。
さて、工芸品の良いことはうまく使えば長く使えることです。家電はせいぜい5年〜10年で買い替えを迫られますが、工芸品は2〜3代に渡って受け継ぐことが可能です。南部鉄器ってのがまさにこれで、数年で壊れるアルミ製とは訳が違います。
ただデメリットとしては使い始めや手入れに手間がかかること。そして正しく使い続ける知識が要ることです。たとえば今回買った鉄鍋も使い始めるには…
①スチールウールやクレンザーなど化学物質を使わずに水洗いする。
②油を引いて野菜の端切を炒め、鉄臭をとる。
③水洗いした後に水分をよく取り除き、食用油を馴染ませる。
④使い始めの2週間は毎日使う。
と、これほどの手間がかかります。なにも気にしないで使えるアルミ鍋がいかにすぐれているかが分かりますね。もちろんこの手間に見合う品質を持っているので大事にしたい次第ではございます。
ということでさっそく使い始めていきましょう。まずは水洗ですね。未使用品とはいえリサイクルショップで売られていましたからね。入念な洗い作業が必要です。
なお南部鉄器は天然素材のたわし等であれば洗うことができます。というのも南部鉄器は砂による型取り成形をしているため、表面が細かい粒子状になっているのです。備前焼もそうですが、表面の細かな凹凸は汚れが付きにくかったり、空気が液体に入り込み口当たりがまろやかになったりと様々な効果があります。それらを化学繊維や研磨剤入りのもので洗うと、この南部鉄器特有の凹凸加工が落ちてしまうんです。
ちなみに最近私は運良く?お徳用スチールたわしを買ってしまったので手洗いを余儀なくされています。これを機にささらでも導入しようかな…。
水洗い後は軽く空炊きで水気を飛ばし、水分を拭き取ったら油を引いて野菜を炒めます。丁度傷み出しそうなキャベツがあったのでこちらを炒めましょう。
炒めたままの勢いでこのキャベツを鍋にしちゃいましょう。まるで山間地の料理屋から飛び出してきたかのようなこの存在感。個食用鍋では味わえないこの贅沢感!やっぱり鍋はこうじゃないと!
そして使い始めは2週間使い続けるとのこと。これは少々大変そうですが、「食用油を馴染ませて使うってことは鉄フライパンと変わらねえな!」という結論に至りましたので最近はフライパンの要領で使ってます。この前なんてチキングリルを作りました。鍋で。
机の真ん中に鎮座するだけで冬の訪れを感じることができるうつわ、鍋。ひとりでも複数でも楽しめる食事シーンなだけに、どうせならこだわり抜いた逸品を使いたいものですね。南部鉄鍋とは長い付き合いになりそうなのでこれからじっくりと付き合いたいと思います。
という訳で今回はここまで。それではまた~。