三川内焼

トレンドは「かさねる」?

ssyouhei

 いらっしゃいませ!

本日はテーブルウェアフェスティバルにて感じたあることを書いてまいります。

 テーブルウェアフェスティバルとは全国の作家・窯元・メーカーが東京ドームシティに集う食空間の祭典。食器のみならずカトラリー、テーブルクロスなど食卓に関わるものが並びます。食器が専門分野の身としては全国の焼き物産地が一同に会するので、私としては全国の焼き物見本市として最適な場です。

 そんなこんなでいろいろな産地の現状を見ることができるのですが、ここであるキーワードが語られることが多いことに気が付きました。それは「かさねる」というものです。

 うつわを重ねられる、というのは食器好きの方ならいかに重要か分かることかと思います。というのも陶磁器って保管するのにかなりスペースを取るんですよね。とくにカップ、湯呑、形が独創的な作家作品あたりは重ねるのが難しく、どうしても幅を取りがち。茶の愛飲家である私の棚もご覧の通り、湯呑が隊列を組んでいます。

 加えて昨今はマンション・賃貸がシェアを伸ばしつつあります。これらの住まいはコンパクトになりがち。食器棚もあまりスペースを取れません。今後陶磁器ファンはいかに収納スペースを確保するかが課題となってくるでしょう。

 そんな現状を打破すべく各産地、メーカー様が取り組んでいたのが重ねられるうつわです。これまで重ねられる皿はもちろん、マグカップまで重ねてやろうじゃないかという流れが広がっているようです。

 しかし重ねるには重ねるで怖いモノがありますよね〜。そう、重ねる際の衝撃で欠けが発生する恐れです。特に縁の薄い湯呑みやカップ類はこのリスクが跳ね上がるんですよね。省スペースなのは分かりますが、それなりに神経質になってしまいそうな…

 と、いう方に朗報です!この度そんな中でもおすすめな商品を見つけて参りました!三川内焼ブースで販売していた重なるマグカップ、その名も「kasane」シリーズです!ローマ字にするだけでなんとも美しい響きになるのはなぜでしょうか。

 三川内焼は長崎にて栄える染付磁器を得意とする生産地。美しい絵付けはかつて高位な人々に向けて作られた御用窯だった名残です。そんな美しい絵付けを存分に堪能しつつ、保管も楽々というのがこの商品になります。

 なにより磁器という材質は欠けに強く、重ねた際の衝撃でも破損しにくいのです!!これで恐れることなく重ねて保管することができますね!!

 …ただ問題はこのシリーズ、ネットで調べても出てこないんですよね〜。キーワード検索や三川内焼公式オンラインショップを探してみたのですが見当たらず…。会場限定展開だったのでしょうか?

 とまあこのように、現代の暮らしに合わせて進化し続ける陶磁器達。今回見た食器では他にも電子レンジにかけられる金彩磁器など、これまでには無かったような作品が多くありました。ここ数年で急激に変化してきた我々現代人の生活様式。培ってきた伝統もまた、我々の暮らしに寄り添い、そしてこれが積み重なって文化になっていくわけですね。

 というわけで今回はここまで!それではまた〜。

 

店主紹介
気楽なスタッフ
気楽なスタッフ
現役サラリーマン
現在20代後半。大学生の時に観たドキュメンタリーがきっかけでうつわに魅了された男。

「ひとりでも多くの人がうつわに込められたメッセージを楽しんでほしい!」をテーマに活動すべく、個性豊かな愛用のうつわに振り回されつつ生活をしている。

愛用のうつわは笠間焼、備前焼、九谷焼きなど日本陶磁器が中心。西洋磁器はウェッジウッド、マイセンがお気に入り。食空間コーディネーター3級を持っています。

記事URLをコピーしました