産地情報

短時間でも回れる!砥部焼の産地!

ssyouhei

 いらっしゃいませ!

という訳で今回は砥部焼散策編の記事になります。

 今年の産地散策はこれで3回目。なんとか目標としていた3か所回り達成となりました!まだ見ぬ焼き物産地は沢山ありますので、これからもどんどん研究していこうと思います!

 ただ今回の焼き物産地巡りは少々イレギュラーでして。

というのも今回の産地訪問、愛媛観光のついでなんですよね…。恐らく世間一般としてはこれが普通なんでしょう。「愛媛で松山行くならついでに砥部焼見たいな~!」といった感じで。

 しかし私は違います。これまでの産地訪問記をご覧いただければわかるように、私は焼き物産地の本拠地だけで一泊二日が基本スタイル。隅から隅まで見たいタイプなのですが、今回のような滞在時間2時間だけでは見れるところはかなり限られてしまいます。産地に来たにもかかわらず見どころを見過ごすというのは正直、拷問にひとしい苦行でございました。正直旅程に入れていただいただけでも感謝なんですけどね。なにより飛行機乗り遅れてますし

 …と言った具合に最初はかなり悲観していた砥部焼訪問。しかし砥部焼というのは時間が無くても楽しめる産地でした。さすが観光地・松山のとなり街。コンパクトに巡れるように見どころが纏まっています!今回は私達が巡った2時間で堪能できる砥部焼ツアーをご紹介いたしましょう。

 さて、砥部焼のまち・砥部町が発行する「砥部町観光ガイド」によれば、この街には砥部焼にまつわる53個の見どころ「陶街道五十三次」なるものがあるようです。砥部町庁舎の四季山水陶壁画や登窯といった砥部焼に深くかかわる場所から、古噴公園や総合運動公園など市民の憩いの場まで。砥部町の豊かさを存分に味わえるチェックポイントになっております。

 そんな砥部町を2時間で楽しむツアーモデル。まず最初に訪れるべき場所としておすすめしたいのが陶街道五十三次の53番・砥部焼伝統産業会館です。いきなりゴールです。本陣です。

 でも正直、焼き物産地に行ってまず最初にすべきことは「①焼き物産業に関する資料館に行く。」→「②現地の窯元・作家が一同に集う販売施設に行く。」の順番で回り始めるのが理想なんですよ。まずは土地柄の大枠を理解しないといけない訳です。

 で、この砥部焼伝統産業会館は何があるかというと、江戸時代から連なる砥部焼の作品資料が展示してあって、入り口には現地の窯元・作家さんの作品が多く並ぶ売り場があるんです。いや絶対ここがスタートですよ砥部町さん!!全部そろってますもん!!焼き物探索に欲しい要素!!

 砥部焼伝統産業会館の面白かった点はこれまでの歴史だけでなく、これからの砥部焼も展示していたことです。モダン空間での展示提案や、現代作家の紹介など「今」を展示する産地って少ないんですよね。現代まで知れる展示は非常に興味深かったです。なおさらここスタートに(同文)

 ちなみに建物の前の歩道線が砥部焼でおなじみの縁唐草紋だったり、陶板作品があったりと外も見どころが多いのでぜひ訪れてみてくださいね!

 砥部焼のことがよくわかりましたら、お次に向かうのは砥部焼観光センター炎の里

ここは砥部焼共販センターのような場所で、多くの作家さんの作品が集う売り場になります。

 さらに炎の里の強味は「実際に砥部焼の使用感を試せる」ということ。炎の里の横にはJutaroというカフェがありまして、このカフェの食器が砥部焼で提供されるのです。

 しっかり食べられるランチメニューもありまして、和食をベースにしたカジュアルプレートが提供されています。この日のケチャップベースのチキングリルも砥部焼がよく似合っていました。味も大変美味しかったです。デザートまでついてますので最後まで堪能いたしましょう。

 なにより砥部焼の汎用性が素晴らしいこと。カジュアル和食ということで洋食のニュアンスがある食事メニューもあるのですが、和食も洋食も受け入れる砥部焼の柔軟さが光ります。ここで砥部焼が使われているのを見ると砥部焼を買いたくなるので、店の側に共販センターがあるというのは非常によくできた導線です。

 ちなみに先ほどの伝統産業会館も共販をしておりましたが、産業会館は美術性が高い作品が多く、炎の里では日用食器に強い印象がございます。手ごろに使いやすい食器なら炎の里がオススメです。好みによって使い分けるといいでしょう。(画像は炎の里)

 炎の里の外には登り窯の展示がございます。今は使用していないと思われますが、中々立派な窯でございます。このサイズはかなりの数の陶磁器を量産出来たことでしょう。

 松山観光のついでに砥部町を回るならこの2か所(カフェ含めれば3か所)を押さえて行きましょう!歴史を学びつつ美術性の高い砥部焼と日用使いに優れた砥部焼。このふたつを見ることができれば砥部焼の魅力を感じることができるでしょう!

 まぶしい太陽と豊かな自然。魅力的な土地に育まれた砥部焼は見映えはもちろん、使用感にも優れたうつわ好きにとって理想的な焼き物と言えます。私自身あまり産地を回れていないので魅力を伝えきることはできませんが、地元観光氏を見る限りまだまだ見どころが沢山ありそうです!砥部町を訪れた際は、是非皆さんも砥部焼の魅力を見つけてくださいね!

 という訳で今回はここまで!それでは~!

店主紹介
気楽なスタッフ
気楽なスタッフ
現役サラリーマン
現在20代後半。大学生の時に観たドキュメンタリーがきっかけでうつわに魅了された男。

「ひとりでも多くの人がうつわに込められたメッセージを楽しんでほしい!」をテーマに活動すべく、個性豊かな愛用のうつわに振り回されつつ生活をしている。

愛用のうつわは笠間焼、備前焼、九谷焼きなど日本陶磁器が中心。西洋磁器はウェッジウッド、マイセンがお気に入り。食空間コーディネーター3級を持っています。

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