グルメ

鰻の雑炊『うぞうすい』 – 京都のうなぎ屋『わらじや』

ssyouhei

いらっしゃいませ。

日本各地の伝統文化めぐりをすると必然、私の探求は旅になりがちです。伝統文化は各地に広がっていますからね。

とくに私が好きなジャンルである陶磁器、それも食器周りを学ぶ際には現地の料理旅館や料亭などで食器の使われ方を見て学ぶようにしていたのですが、いつしか私の旅における食の楽しみは勉強を抜きに独立したものとなりました。

思うに食事ほど門扉の広い文化体験はありません。食材や食器、作法には地域の特産や文化、風習が色濃く表れますし、なにより美味しい食事は万人の幸せです。これほど誰もが平等にできる文化体験はそうもないでしょう。少なくとも私はそう信じています。

ということでこれからは旅先で出会った私を幸せにした食事をご紹介できればと思います。備忘録も兼ねてしっかり残していきましょう。

ということで記念すべき最初のテーマは『鰻』です。私はこの世で最もご飯が進む食材は鰻と考えているほど鰻が大好きです。香ばしい香りに甘しょっぱい秘伝のタレ。そして口に含むととろける脂にふっくらした身!あれはまさしく口福です。やべ、書いてて食べたくなってきた。

しかし私がこよなく愛する鰻。なんと東西で味が変わるらしいじゃないですか。私が慣れ親しんだのは東日本の鰻。しかし最近西日本へ移り住んだ知人曰く、東日本の鰻は蒸す工程がないためふっくらではなく焼き魚系。タレも東のそれとはまったくことなり、もはや別物の域だというのです

そこまで言われると食べてみたい…。いつか西日本に行ったとき、必ず食べようと心に決めました。

そんな先日、思いがけぬところから私は西日本行きの機会を得ることとなります。そう、ここ数日連続投稿していた国立京都博物館『光琳かるた展』です。

京都と言えば美食の街。ここで鰻を食わずしてどこで食う!ということで展示会を見終えた11時ごろ。私は西日本の鰻を食べるべくネット検索をいたしました。

すると幸運なことに、京博の目の前に名店の気配がするお店を発見いたしました。それが今回お伺いしました『わらじや』さんです。ご覧くださいこの立派な店構え。打ち水までされて、こりゃ期待できますね。

関西では鰻飯を『まむし』と呼ぶようで、これはご飯にタレをまぶす。が転じてまむしになったようです。何も知らない東の人間は「マムシ(蛇)でご飯を!?」と思いそうですね。それはそれで食べたいですけど。

まむし御前はランチ価格5,000円。う…決して安いとは言い難い。なんなら今月すでに三度目の遠出の身としては高い…。しかし鰻とは元々そういう食べ物。なにより好きな物に金を使うのは大人の楽しみ。ここはレッツまむし御膳!!

…と決心した私の眼にとんでもない文字が飛び込んできた。

うぞふすいランチ 4,500円

う、うぞふすい!?鰻雑炊!?

え、鰻を雑炊に!?

少なくとも私がこれまで行ってきた鰻屋には鰻で雑炊を作る店はありませんでした。焼き以外の鰻を知らない私にとってはイメージすらできません…!!

い、いやしかし自分は今日は関西の鰻飯を食べに来たのだ!興味本位だけで私の食欲を奪うことなど…

メニュー表『当店名物!』

ええ、負けましたとも。始めていく店で迷ったときは店がお勧めする品を頼む。ひそかなマイルールのひとつです。

という訳でこちらがわらじやさん平日限定のランチメニュー・うぞふすいランチです。メインの前に附き出し三点とお抹茶。その後に鰻雑炊が登場です。現地のメニューでは2~3人前ばかりが載っていましたが、ちゃんと1人前もご用意がございます。ひとりで土鍋を抱えるというのは、これはこれで贅沢ですね。

最初の一杯はお店の方がよそって頂き、あとは各自で存分に。このお出汁は米がどんどん吸ってしまうので、楽しみたいときは最初のうちに堪能しましょう。

さて、未知なるお味・うぞふすい。その味やいかに…?

う、美味い!!味のベースは昆布やしいたけ、それからあご出汁でしょうか?白だし系の柔らかい風味から香る白焼きの香ばしさや三つ葉、牛蒡、人参など食材の味わいが綺麗に調和しています!雑炊なのでサクサク食べられるのですが、ここで効いてくるのが自家製のお餅がはいっていること!これにより食べ応えがグッと増します!

中でも感動したのが山椒との相性です!!私鰻が好きな割には山椒はあまり使わない派でして、なんだか鰻の味が薄れる気がしてしまうんですよね。

ですがうぞふすいにおける山椒はいわば個性の強化。先ほどまで美味く混ざっていた味わいたちの輪郭がくっきりとし、より強く旨味を感じることができるのです!うぞふすいに関しましては山椒かけている方が好きですね!

雑炊は食べ応えが足りないかな~?なんて思っていたのですが先述の通り餅が入っているおかげで満足感は中々の物でした。やはり土鍋一個分は中々効きますね…!

一息ついたところでうつわに目が行きます。美食と歴史の街・京都にしては意外といいますか、このエリアの焼き物と言えば華やかな清水焼に比べるとかなり素朴な品物です。どちらかといえば民芸寄りのチョイスといえましょう。そこまで上等、という訳ではないのでしょうが先の写真の通りいざ使ってみると中々どうして。非常に趣を感じます。日用品なれど雑器にあらず。いざ私用の食器としてこれに手が伸びるかといわれれば自信がありませんね…これには脱帽です。

食後にはお庭も拝見させていただきました。よく手入れが行き届いた露地のような庭です。蛙の置物が愛らしい。

ということで未知の食べ物・うぞふすいは鰻を主役に添えつつめくるめく食材たちの香りを存分に楽しめる料理でした!わらじやさんは国立京都博物館より徒歩五分以内にございます。ちなみに私が利用した平日のランチ開店の時点で予約のお客様が3組ほどお越しになりました。場合によっては待ちが出る可能性がありますので、遠方よりご利用の際は混雑状況を要確認です!

という訳で今回はここまで!また美味しい食べ物を食べたら書いてまいりますね!それではまた~。

店主紹介
気楽なスタッフ
気楽なスタッフ
数寄者兼サラリーマン
現在20代後半。大学生の時に観たドキュメンタリーがきっかけでうつわに魅了され、気が付けば日本文化の魅力にハマる。

「ひとりでも多くの人に日本文化を楽しんでほしい!」をテーマに、くらしで楽しめる日本文化を研究中!

とくに日本陶磁器には目がなく、いずれは販売店を持つべく画策中である。 一番のお気に入りは画像でも使用している九谷焼の花詰盃。もうね、たまんないよコレ。

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