清水焼の産地に行こう!-清水焼レポート③
いらっしゃいませ!
清水焼のレポートもいよいよ3本目です。ここ数回は気の張った考察が続きましたし、ここらで気軽な話をしましょうか。ということで今回は清水焼のふるさとに行こう!!という話です。
はい、行ってきたんですよ京都。
その割にはひたすら陶磁器を探し回ったという稀有な旅になりました。『陶磁器探してたら、たまたま近くに観光地があった!』というノリで知恩院※見ましたからね。
※浄土宗の総本山で、国宝『阿弥陀二十五菩薩来迎図』をはじめ、4点の国宝を所蔵している歴史的・文化的にも大変重要な寺院。大晦日には特大の鐘を数人がかりでダイナミックに突くことでおなじみ。
清水焼散策の魅力は何といっても「観光地が近い」ということ!京都観光からシームレスに陶磁器散策が出来ますし、規模間としてもスムーズにいけば1時間半くらいで散策できると思いますよ!
清水焼の市場は大きく分けて『清水焼の郷』『新門前ショップストリート』『茶わん坂』の3か所があります。が、前者2か所はあまりオススメできませんね…。

まず清水焼の郷ですが、ここは清水焼の窯元・メーカーが集う清水焼の故郷です。「そんなの見た方がいいに決まってるじゃん!」と思われるかもしれませんが、清水焼の市場は後述する茶わん坂が市場の中心になっており、こちらは製造のみに特化している窯元も多いです。曜日次第では大半のギャラリーが閉まってしまうので、散策としてはどうなんだろうな~という印象です。後述する例外はあれど、買い物目当てなら行くのはやめたほうがいいかもしれません。
ただここは清水焼最大のイベント「清水焼の郷まつり 大陶器市」の会場でもあります。イベントに赴くならむしろ絶対に外せない場所ですが、それ以外なら優先度は低くても大丈夫だと思います。

次に新門前ショップストリートですが、こちらは工芸品ではなく骨董の市場です。
工芸品と骨董って違うの?と思われた方もいるかと思いますが、このふたつは全く異なります。売価も2桁違います。こちらのお話は別の機会にでも致しましょう。とにかく!清水焼を買うにはあまり向いていないということは声を大にしてお伝えしたいと思います!

となると必然、我々は茶わん坂を見ることになります。茶わん坂は清水寺へ向かう五条通・五条坂を右折する清水新道の別名。参道にくらべ人通りは落ち着いており、両端には多くの陶磁器専門店やギャラリーがかまえる、知る人ぞ知る観光地といった印象です。

という訳で早速行ってみましょう、清水焼歩き!
まず茶わん通りに向かう前にオススメしたいのが五条通・五条坂の手前にある京都陶磁器会館です。
陶磁器散策を行う場合は共販センターや大型のギャラリーで現代作家の作風と自分の好みをすり合わせをしてから行くと、効率的に欲しいものが見つかるのでおススメです。京都陶磁器会館はいわゆる京焼の共販センターとも言える場所で、普段使いから高級陶磁器、作家作品に茶陶、さらには二階で展示会などなど見ごたえたっぷりの施設になっています!



清水焼というとなんとな~く職人や窯元が多い印象でしたが、こうしてみると個人作家さんが多い産地なんですね。作風も他産地の技法をアレンジしたようなものから、非常に独創的なものまで。いずれも伝統技法を基盤にしながら枝を伸ばすように様々なデザインが登場しております。

器会館を下見した後はいよいよ茶わん坂へ。茶わん坂への分岐点は印があるので分かりやすいですよ。
茶わん坂は老舗の陶磁器店からセレクトギャラリーまで今昔入り乱れる様子が特徴的。扱う品も現代作家から手ごろなアンティーク作品まで幅広く、清水焼の進化を味わいながら買い物ができます。他ではあまり見かけない焼き締めや自然釉の清水焼なんてのもお見受けしました。

途中あさひ坂という坂が出てくるのですが、ここを上ると清水寺の参道へつながります。ここの坂を上った先にも良いお店があるので要チェックですよ。
しかしまぁ、正直申し上げますと清水焼高いですね~泣
個人的な懐事情もありましたが、にしたって高いです。清水焼。
これには観光地ならではの事情が入っていると見ています。そうです、インバウンド問題です。
昨今の外国人観光客増加に伴い、宿泊費価格や拝観料、物価上昇が凄まじい勢いで上昇。これにより売り上げや観光客数は増加するといった効果が出ている裏側で、日本人の負担が大きくなってしまい旅行離れなどが進んでしまうという問題が出ています。当時私は店員さんに「久しぶりに日本人と話した。」と言われたくらいです。それほど外国人観光客が凄まじいのです。
実は数年前にも一度、清水焼の産地を訪れたことがあります。あの時は黒楽茶碗が欲しくて行ったのですが、当時の作家モノの黒楽茶碗は1.5~2万円といった印象でした。
が、先日拝見した黒楽茶碗の相場は体感で2.5万~といったところでした。黒楽以外の清水焼も15cm程の色絵皿は1枚あたり1.5万円ほど。満足のいく買い物をしようとすれば数万円の予算を組む必要があるでしょう。
加えて昨今の人件費や金彩で使用する金価格の相場上昇…ただでさえ手間がかかる陶磁器産業の中でも得に手間が掛かる高級陶磁器である清水焼。これだけの外的要因が重なれば高くなるのもやむなしではありますが、それにしても価格設定が過剰な気がします。提示された価格が作品の価値を越えてしまっている一種のインフレ状態と言えるでしょう。
残念ながら今回の旅では値段に見合う価値をもつ清水焼は見つかりませんでした。宿泊した散策では初の戦利品なしです。まあ私自身の好みにピタリとくるものが見つからなかったに過ぎないので、皆様はぜひお気に入りの逸品を探してみてくださいね!
というわけで最後にオススメショップを紹介して終わりにしたいと思います!


●洛中洛外
清水焼の郷エリアにある2階建ての大型ギャラリー。清水焼市場のギャラリーの中でも屈指の見ごたえがあり、一階は手ごろな職人作品が揃う。数を揃えたい場合はおススメ。二階は個人作家作品が常設されており、全体的にコスパのいい品ぞろえをしている。私もこれだと思うものがあったのですが、在庫数がなかったために断念…。
ただ、この店のためだけに清水焼の郷を訪れるのは時間がもったいないと思う方もいるかもしれません。時間に余裕がある場合はどうぞ!

●利き酒処336
茶わん坂の入り口にある日本酒とコーヒーを楽しめる大人なカフェ。
しかしこの中には中々面白いぐい呑みを取り揃えており、販売も行っているのだ。セレクトショップ気質のため平均価格は1.5万~と値は張りますが、価値に見合ったラインナップがずらりと並ぶので見るだけでも楽しい。酒が飲めたらまた見る目も変わったろうに…

●朝日陶庵
あさひ坂の上に建つ、茶わん坂の中でも大きなお店。清水焼作家を中心に個性的な作家作品を多く取り扱うお店で、扱う幅もテーブルウェアから陶器製オブジェなど非常に広い。系列店に朝日堂という大型店もありどちらも史上最大規模の売り場を持つが、こちらはややお土産気質と高級志向が強い印象。もちろん、品揃えは中々のものなのでこちらもオススメだ。
という訳で今回はここまで!皆様もおススメの清水焼がありましたらぜひ教えてくださいね!今回はここまで!それではまた~!

