趣味の料理

土鍋生活はじめました。きっかけと魅力編

ssyouhei

いらっしゃいませ!

 表題の件についてです。とビジネスシーンがごとく言ってみましたが、まあそういう事です。ついに私、念願の土鍋生活をはじめました!ことの発端はふたつ。「炊飯器の劣化」と「信楽焼訪問」がきっかけ。

まず炊飯器の劣化。ごらんのとおりボロッボロでした。炊飯機の内釜のコーティングが剥がれてしまってます。まあ剥がれ自体は数ヶ月前から起きていたのを見て見ぬふりをしていたのですが、それがついに炊き立てのご飯に付着し始めたので「これはマズい」と新調を覚悟。思えば社会人一年目から毎日酷使してきましたっけね。ありがとう、炊飯器。

 新調を心に決めたはいいものの、いざ家電売り場に行けば「炎舞炊きとか銅釜とか憧れるけど高いんだよな〜」なーんて思いつつ、結局決めきれない優柔不断侍になっていました。過ぎゆく日々。剥がれていくコーティング。そんな中訪れたのが信楽焼の産地訪問でした。

 信楽焼の詳細は前回までの記事で詳しくお伝えした通りですが、信楽焼の発祥地・滋賀県甲賀市のお隣町である三重県伊賀市にも焼き物があることはご存知でしょうか?それこそが伊賀焼です。身も蓋もない言い方をしてしまえば信楽焼の親戚。しかし信楽焼がたぬきのオブジェをトレードマークにしたのに対し、伊賀焼は別のものを代表作にしておりました。そう、土鍋です。伊賀焼の土鍋は陶磁器好きの中では有名。とくに最近の伊賀焼土鍋は煮るから焼くまでできる万能調理器具と化しておりました。

 私の経験上、隣り合った産地の作風は互いに影響し合う傾向があります。よって「伊賀焼で土鍋作ってるなら、信楽焼も土鍋作ってるんじゃないか!?」と一縷の望みを託して滋賀県甲賀市に旅立ったのですが…

 いました土鍋。やっぱりな!!

 こちらの土鍋はドラマ『スカーレット』に登場する丸熊陶業のロケ地・ほうざん窯が作成されたご飯焚き専用土鍋。なんでもご飯を炊くために最適に計算されたブレンドの土を使っているのだとか。サイズ展開は1号・3号・5号炊きの3サイズ。カラーは黒、飴釉、織部緑の計9種類の商品展開となっています。

 今回私が選んだのは3号焚き織部緑。お値段13,200円(税込)。某炎舞炊き炊飯器が5万前後なのを考えると、かなりリーズナブル♪

 …しかし今回買った土鍋と同じ値段の炊飯器を買い渋ってたくせに、「炊飯器壊れた!!じゃあ土鍋生活始めます!!」ってできる決断力は一体どこからきたんでしょう。たしかに土鍋炊きご飯にはずっと憧れていましたが、それはあくまで炊飯器&土鍋であり、決して炊飯器or土鍋ではなかったとは言っておきます。なんで土鍋一本で行こうと思ったんでしょう私。

 まあせっかく土鍋一本で行こうと決めたなら、土鍋の良いところに目を向けて行きましょう!みなさま土鍋が得意で、炊飯器が苦手なことってなんだかご存知でしょうか?火の番をする必要もなく、スイッチひとつで我々が目覚めるより早く動き出し自動でふっくらご飯を炊き上げる。確かに炊飯器は便利です。なんで土鍋一本で(以下同文。)

 しかし一般的な炊飯器は米の旨味を引き出すには火力不足なのです。炊飯器の得意分野は「保温」にあります。電気の力で一定の熱を与え続ける。これにより炊き上げた後も温かいご飯が食べられたり、応用して煮込み料理やパン調理までこなすことができるのです。しかし炊飯器は一定以上の瞬間火力を出すことが苦手なのです。「そんなことできなくても米なんて炊けてるじゃない!」なんて思ったかもしれません。確かに!!

 しかしこの瞬間火力による沸騰こそが米の旨味を引き出す重要な要素なのです!!沸騰により米が舞い上がることで米粒同士が重なる面積が減る=米粒全体に熱が満遍なく伝わります。ジワジワと熱を伝える電動加熱ではこれが難しく、場所によっては炊き上がりにムラができてしまうのです。これこそが土鍋の強み。そして炎舞炊きの正体。土鍋は従来の炊飯器では引き出すことができなかった米の旨味が引き出せるのです!

 いよいよ始まる楽しい土鍋炊きライフ!!今回はここまで、次回はいよいよ実践編です!!それではまた〜!

店主紹介
気楽なスタッフ
気楽なスタッフ
現役サラリーマン
現在20代後半。大学生の時に観たドキュメンタリーがきっかけでうつわに魅了された男。

「ひとりでも多くの人がうつわに込められたメッセージを楽しんでほしい!」をテーマに活動すべく、個性豊かな愛用のうつわに振り回されつつ生活をしている。

愛用のうつわは笠間焼、備前焼、九谷焼きなど日本陶磁器が中心。西洋磁器はウェッジウッド、マイセンがお気に入り。食空間コーディネーター3級を持っています。

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